2016年11月27日日曜日

Aセクシャル、Aロマンティック、Aジェンダーの「A」

少しお久しぶりになりました。

Aが三拍子そろったこの3つの言葉ですが、3つに共通して思うことがあるので書いてみます。


まずこの「A」という文字は接頭語。
単語の頭について「非〜」「無〜」という意味をつくる。

というわけで、
3つのAはこんなふうに書けると思う。

Aロマンティックは「どういう恋愛がしたい、がない」
Aジェンダーは「自分とはどういう性別、がない」
Aセクシャルは「どういう人と性的に関わりたい、がない」

共通項がすこし見えてきた。
一般的には「好みがある」のが普通とされる項目で、「好みがない」ということだ。

「好みがない」というか、「そもそも感覚がない」というか、対象としてすっぽり抜け落ちたような状態というか。
選ぶ以前に、まず選ぼうとしないのだ。

好みがないからといって「なんでもあり」に振れる場合もあるが、多くは「どれでもないし、どれも変」という感じだと思う。
なぜ好みがないのか?
そりゃ、グッとこないからだろう(雑)


ところで生物の用語に「無性生殖」というのがあるけど、カタカナで書くと「Aセクシャル・リプロダクション」である。
ひとつの個体から単独で新しい個体をつくる(アメーバが分裂したりする)増え方のことだ。
アメーバにはそもそも性別がないので性差が存在しない。ので、性差の好みも持ちようがない。

一方で染色体レベルで性別が4つある鳥もいるらしい(Gigazineのページ)。

話がそれてきた。

染色体というレベルは明確でわかりやすいけど、私たちはもう少し複雑な、「好み」という次元をもっている。
それは「どっちでもいい」というレベルのものばかりでなく、「それでなくては実存にかかわる」ような重要なことまで含む。

しかも「好み」は生涯を通して変化し、一定ではないときている!
なんてめんどくさい!笑
出荷前に工場で「あなたはヘテロ」とかラベルが貼られて、みたいな話ではなくて、仮にラベリングされるとしても、その文字は別の文字に変わったりするのだ。

あるいは文字の濃淡の変化。
生まれたときはみんな真っ白だとしても、
ある人の文字は薄すぎたり、ずっと白紙だったり、インクをはじいたりして、ヘタしたら一生読むことができないかもしれない。
それがAセクシャル、Aロマンティック、Aジェンダーなのだと思う。


そんなラベルの中にいる人たちは、周りがみんな「好み」を持っていることにびっくりして不安になるかもしれない。
そうなると、自分の中のそれほど強くはないゆるやかな「好み」をすくい取ってみたりして、でも果たしてそれは自分の「性質」なのかと悩んだりする。
でも無理やり決めてみたところで、興味のレベルがすぐ変わるわけでもなく、「やっぱりいいや」とか「まあこれはこれで」みたいな落ち着き方をするだろう。


火のないところに煙が立たないように、たいして興味がもてないところに強い好みを立たせるのは難しい。そんなところです。

自分を楽しく生きてくださいね。

ハッピーライフ!
ハッピーホーム!
(タマホーム)